ビブラートのかけ方と練習法

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ビブラートといった言葉を、一度は聞いた事があるという方は多いと言えます。

これは、歌を歌っている時に表れる声の揺れであり、主に上下に声が揺れる状態を指します。現在ではジャンルを問わず、多くの歌手たちがこのビブラートといったテクニックを用いてパフォーマンスをしているのが一般的です。

この様にお話しすると、比較的高度なテクニックであり、素人がカラオケなどで歌う場合には使用する事が難しいのではないかといった声も聞かれますが、実はそんな事はありません。正しい練習方法と理論さえ押さえておけば、誰にでも習得可能な技術であると言えます。

正しいビブラートを身につけると・・・

この技法を習得する事により得られるものとしては、まず表現力の向上が挙げられます。例えば、ラの音をピアノの音と一緒に発声したとして、ただその音に合わせて一本調子に発声するのと、そこに上下の上がり下がりのある抑揚のついた発声をするのでは、聞き手に対するアプローチにも差が出ると言えます。

一言で言ってしまえば、よりプロっぽく聞こえる様になるとも言え、歌唱力といった面でも無視出来ない技術であると言っても過言ではありません。

実際には、国内、海外を問わず多くの歌手たちがこの技法を用いて歌唱しており、特にポップスやR&Bなどといったサウンドよりもボーカルが前に出る様な音楽の場合に頻繁に用いられていると言えます。

ビブラートのかけ方

ビブラートの練習方法としては、まずは意識的に声を上下に揺らすといった事が必要になります。例えば、ラの音を発声する時に意識的に喉を使って声を上下させるといった具合です。

数いるボイストレーナーの中には、この時には喉は使わずに横隔膜を使って声を揺らす事を提唱していたり、または自然と声が上下に揺れる様になるまでは無理にこの技法を習得すべきでないといった考えを持つ方も多くいらっしゃいますが、実際には意識的に習得する事を念頭に置く事が習得への近道であると言えます。

確かに、喉への負担や癖がつかない事を考えると、横隔膜を使っての発声であったり自然と取得出来るまで待つといった方法も理にかなっていると言えます。

しかし、それらを用いて習得しようとするといつまで経っても自分の意思で声の上下の揺れをコントロールする事が出来ず、歌っている本人のみならず聞き手にも耳障りの良くないものになりかねません。これらの事から考えても、やはり喉を使っての声の揺れを作る事が総合的に見ても最も合理的な方法であると言えます。

ビブラートの練習法

具体的な練習方法としては、ピアノの音に合わせて、アやオと発声しながら声を上下に揺らします。初めのうちは少し大げさなくらいに抑揚をつけて練習してもいいと言えます。

そしてこの時に起こる、喉の筋肉の動きを身体に染み込ませ、自分の意思で出したい時に出せる様になるまで反復練習をします。ピアノを持っていない場合には、ビブラートを使って歌唱する歌手のCDなどを聞きながら、真似して一緒に歌ってみる事も有効であると言えます。

この段階では、まずは声の上下の揺れを習得する事を第一に考えている為に、細かい事は後回しにしても問題ありませんが、次の段階へ行く時には声が上下に揺れる頻度についても考えていく必要が出て来ます。

声は、上下に揺れる回数が少なすぎても、または多すぎても不自然なものになり耳障りの良くないものになってしまいがちです。その為に、適正な回数といったものがあり、それに則り行う事が理想的であると言えます。

多くの歌手たちが歌唱時に声を上下に揺らす回数としては、一秒間に六回程度といった事が挙げられています。これよりも少なかったり、多かったりするとこの技法が持つ耳障りの良さや表現力が損なわれてしまう事にもなりかねません。

その為にも、まずはこの一秒間に六回といった事を頭に入れながら練習をする事が求められると言えます。

そして、あまり知られてはいませんが、ビブラートを取得する事により声の柔軟さも手に入れる事が可能になります。

これは、例えば、ただ一本調子に歌唱する場合と声の上下の揺れを用いての歌唱をした場合の喉の状態を比較すれば明らかであり、前者は声帯の揺れがあまりない為に、自由度がない硬質な歌声になりがちであるのに対し、後者は意識的に声帯を揺らす事が求められる為により柔らかい歌声になるのだと言えます。

これは前述したポップスやR&Bなどを歌唱する際には、最も求められるところであり、表現といった意味でも重要な役割を果たすものであると言えます。

逆にハードロックやメタル、アニソンといったジャンルではシャウト気味に歌ったり、あえて一本調子で歌うといった事がプラスに働く場合もありますが、やはり表現力を身につけるといった面で考えてもこの声の上下の揺れという技法は無視出来ないものであると言えます。

まずは、反復練習あるのみであり、人によっては短期間で習得出来てしまえる方もいらっしゃいますが、仮に時間がかかったとしても諦めずに練習を重ねていく事で習得出来る技法であると言えます。

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