「音楽の母」は、なぜヘンデル？

ヘンデルはバロック時代を代表する音楽家で、音楽の母と呼ばれています。ヘンデルはオペラやオラトリオといった劇場用の音楽などに高い評価があった音楽家です。ヘンデルはザクセンのアンハルト州のハレで生まれ、オラトリオのメサイアや、オペラのリナルドのアリア、私を泣かせてください、など今日でも世界的に有名な楽曲を作った偉大な音楽家として知られています。ドイツ生まれの狩れは、ちょうど同じ時代にドイツで誕生したバッハとともにこの時代の音楽を後世に伝えました。

彼が音楽の母と呼ばれているのに対し、バッハは音楽の父とよばれます。なぜヘンデルが音楽の母と呼ばれるのかということについては、彼の音楽はバッハと比べると、人間的で明朗な曲が多くあるといわれており、メロディアスな作風は女性的だと考えられたからともいわれています。しかし、彼とバッハは顔を合わせたことは一度もなかったと伝えられています。

ヘンデルは明るい性格で、人を笑わせるのが上手かったといわれ、その性格からかヨーロッパ中を巡って楽曲を披露したといわれています。バッハはドイツで活躍した作曲家で、その点からも二人が顔を合わせる機会はなかったということなのです。

彼はよく食べる人で体も大きかったということでした。ホスピタリティ精神が豊富な人で、晩年、目が見えなくなってしまっても観客を喜ばせようとステージでオルガンを演奏したともいわれています。

彼は最終的にイギリスのロンドンに移住し、1727年イギリスに帰化をしています。故郷よりも居心地のよい場所を見つけることができたということは彼にとっては幸せな事であったという人もいます。

彼は、1710年に後のイギリス王ジョージ1世の宮廷楽長に任命されました。彼はオペラや劇場ミュージックの世界で活躍し、ハレルヤ・コーラスなども今日でも世界的に有名な曲としてよく演奏されています。

音楽にすばらしい才能をもっていた彼ですが、じつは彼の家系に音楽家はいなかったといわれます。しかし、音楽は大好きで、7歳の頃からオルガンを習い、その才能も認められていきました。彼の父は外科医をしていました。その父の希望で大学では法律を学んでいます。

しかし、音楽の道をあきらめきれなかった彼は大学を卒業後にハンブルクにあるオペラ劇場でヴァイオリンの奏者として音楽に携わることにしたのです。

その後、イタリアでオペラを学びオペラの曲を作曲するようになりました。そして、オペラで成功したのです。

また、ヘンデルはオペラだけでなくオラトリオの作曲にも注力していきました。オペラの曲は50曲くらいを作曲し、うち30曲くらいをロンドンの観客たちのために書いたといわれています。彼のオペラの楽曲スタイルは、彼がオペラを学んだ伝統的なイタリアの楽曲スタイルです。そして、イタリアから歌手を招くなどしてオペラの普及にも力を入れたのです。その一環として彼は劇場経営にも携わりました。彼の楽曲は美しい旋律が特徴で、イギリスの多くの観客たちに認められました。

彼はオペラやオラトリオの曲を作曲していますが、合奏協奏曲やオーボエやオルガンの協奏曲なども作曲しています。その他にも教会音楽も作曲し、カンタータや受難曲も作曲しています。

彼は音楽の母と呼ばれ、ドイツ生まれの彼はちょうど同じ時代にドイツで生まれたバッハとともにバロック時代を代表する音楽家として活躍しました。そのメロディはとても美しく快活さがあり、人間的で明朗な曲が多くあります。オペラやオラトリオの曲としてもとても優れています。彼は今日でも多くの人々に高い評価を受けており、バロック音楽における最大の作曲家の一人といわれています。