路上ライブは明らかに出演者の演奏を聞くのが目的でチケットを購入してくれたファンの方が集まるライブハウスなどで実施するケースとは違い、必ずしもファンとは限らない道行く不特定多数のお客さんに演奏を聞いてもらえる可能性があることから、自身の実力を図るための登竜門と言えるやりがいのある場所となっています。
屋外の路上という独特の雰囲気と楽曲のイメージがシンクロすれば、その場でしか再現できない化学反応が起きる可能性を秘めているだけではなく、何も無ければ通り過ぎていたかもしれない人々が足を止めて演奏を聞いてもらう事ができれば新たなファン層の拡大にもなり、大きなチャンスを掴むことも夢ではありません。
路上ライブのやり方
そんな路上ライブはいつでもどこでも好きな場所でできる訳ではなく、事前に使用許可を取ることが必要です。
道路には公道と私道の2種類があり、私道に当たるのは駅の構内にあたる道路や、商業施設の前の道路が施設の私有地である場合があります。
私有地の場合には土地のオーナー、公道の場合は警察の管轄となりますが、どちらか判断が付かない場合は問い合わせて確認する必要があります。
もしも無許可で路上ライブを実施してしまった場合は、私有地の場合は不法侵入罪で3年以下の懲役または10万円以下の罰金、公道の場合は道路交通法違反で3年以下の懲役または5万円以下の罰金となります。
手続きを行うためには私有地の場合はオーナーに問い合わせて個別の交渉となりますが、公道の場合は警察から道路使用許可を取る必要がありますが、スケジュールに余裕を持って早めの申請や相談が必要なのはもちろんのこと、さまざまな事情から必ずし認可が下りるとは限らないことは踏まえておく必要があります。
また、各都道府県によって個別の条例が制定されており、路上ライブの取り扱いが異なる場合があるため、こちらの併せて確認しておく必要があります。
公道を利用する場合は最寄の警察署に直接足を運んで問い合わせる方法もありますが、インターネットでは警視庁の公式ホームページ内にある「道路使用許可」のコンテンツを利用するのが便利です。
なお、申請には2100円の手数料が必要であることと、地域や自治体の特性によって若干の差異があるケースもあるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
申請について詳しい説明が記述されているのはもちろんのこと、申請窓口の項の「警察署一覧」では名前や所在地、地図などから道路を管轄している警察署を探すことができます。
また、必要書類の項では提出が必要となる書類の申請様式がpdfファイルとdocファイルで配布されているのに加えて、記入要領では記入する項目について丁寧な説明が記載されています。
具体的な内容は、道路の使用目的、場所又は区間、期間には日時を記載し、方法又は形態には使用面積、参加人数などを記入します。
添付書類の項には該当する書類がある場合に書類名を記載しますが、路上ライブを告知するチラシなどがあれば添付します。
現場責任者の項には責任者の住所、紙面、電話番号を記載し、最後に申請年月日と申請者の住所、氏名を記載して捺印すれば申請書類の完成です。
それらのファイルをプリントアウトしてあらかじめ必要事項を記入して署名、捺印しておけば窓口に足を運んでからの手続きがスムーズに進められるのも便利です。
必要書類を提出し、申請が受理されると警察署長から道路使用許可証が発行され、晴れて路上ライブを開催できるようになります。
万が一、開催中に公道の使用について問われることがあった場合には、その警察からのお墨付きを受けた許可証を提示すれば問題なく継続することができます。
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