自分は滑舌がよいと感じていても、ときどき上手く発音できないと感じることもあるでしょう。日本語には言いやすい言葉とそうでない言葉があるので、そのようなケースがあるのは不思議なことではありません。発音を失敗しやすい言葉を分析すると一つの傾向が見えてきます。
それは「さしすせそ」が含まれている言葉を上手く言えないケースが多いことです。幼い子どもと話す機会があれば、注意して発音に耳を傾けてみてください。「洗濯機」や「バス」などサ行を含む言葉をまだ正確に言えないことが多いと分かるでしょう。それだけサ行は他の音と比べて、難易度が高めであるということです。
滑舌を良くしたいなら、幼い子どもがなぜ上手に言えないのかを考えるとヒントになります。たとえば、歯が未発達であることも大人との大きな違いの一つです。言葉を発するときは口内に空気の流れが生じます。笛をイメージすると分かりやすいですが、空気の流れは音の高さや大きさに大きな影響を与えるものです。
歯が未発達の子どもは、空気が歯の隙間から漏れて正確にコントロールできないため、発音も誤ったものになってしまいます。大人が上手く言えない場合も、歯並びに問題があって空気の流れをコントロールできていない可能性が考えられます。
もし歯並びが悪いと感じているなら、歯科医で矯正してもらえば改善できるかもしれません。
また幼い子どもは大人と違って、唇や舌の筋肉が弱いという点にも注目しましょう。筋肉を適切に動かせず、唇や舌を上手く扱えないために、正しい音を発するのが難しいという事情があります。大人であっても同様で、唇や舌の動きは滑舌に大きな影響を与えるので要注意です。
たとえばサ行を口にするときに、舌が上側の歯に接触していないかチェックしてみてください。接触しているのなら英語の発音に近くなるので、日本語としては聞き取りにくいものになってしまいます。別の音のように聞こえているケースもあるので、上の歯に舌を接触させずに言えるように練習したほうが良いです。
より積極的に滑舌をよくしたいのであれば、正しい空気の流れを作り出すトレーニングを行いましょう。上側の歯茎に向けて、サ行の音を発しながら息を吹き付けることを繰り返します。発音に気を配りすぎると息が弱くなりがちなので、しっかり吹き付けることを意識しなければなりません。自分が話しているのを録音して、改善具合を確かめながら焦らずに進めましょう。
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