最速時間で暗譜ができるようになる方法

楽器や歌をしていて、楽譜を覚えるのが苦手という方は多いのではないでしょうか。きっと覚えられないと思い込んでいるだけなのではと思いますが、きっと楽譜がないと心細くなってしまうのでしょう。

楽譜を覚えることなのですが、簡単なようで案外難しいものです。音楽というものは、常に流れているものです。一度奏で始めると絶対止まることはできません。一般的な勉強などを覚えるだけでしたら、うる覚えでも自分のペースでゆっくり、思い出しながら出来ます。また、間違えると消しゴムで消すこともできますので、やり直しがききます。

しかし、音楽は一旦始まると、止まることもやり直すことも出来ません。速度も決まっていますので、その中ですべてを表現しなくてはならないのです。

また、音楽は音の配列だけでなく、楽譜に書いてある音の流れを理解し、表現も求められます。ただ、覚えて諳んじるというだけではありません。それらすべてを覚えてやらなければならないのです。

楽譜を見ずに音楽を披露するというときは、必ず自分の目の前に観客がいます。舞台であれサロンであれ、緊張することにかわりはありません。このような心情は、素人もプロも同じ思いです。演奏のプロでも、暗譜が怖いという時期がある方もいらっしゃいます。暗譜が出来ないのではありません。それまでは勿論出来ていたのですが、様々な精神的理由で、一時的にできない時がある方もいらっしゃいます。このように精神的極限の状態で楽譜を見ずにで演奏するということに恐怖を覚える人もいるほどですので、暗譜で音楽を奏でるということががいかに大変かということが分かります。

楽譜を覚えるという作業は、基本普段の練習から自然に覚えるものです。しかし、この自然というものが曲者かもしれません。自然に覚えたものは、あまり頭を使って覚えていないことが多く、その時の気分や感覚で音楽を奏でてしまうので、演奏中に何かのきっかけで音が分からなくなったり、忘れてしまったりして、立ち往生してしまうことがあります。

子供のピアノの発表会などで時々そのような場面を見てしまうことがあります。緊張の中で人前で演奏すると、途中から次に続く音が思い出せない状態になってしまうのです。このようになるとなかなかそこから立ち上がれなくなってしまいます。なぜか止まった場所の音は、何度弾き直してもその場では思い出せないのです。それでも一度舞台に立ったら自分で何とかしなくてはいけません。音楽はめちゃくちゃになりますが、何とか最後まで弾き切るか、舞台袖から先生が楽譜を持ってきて、それを見て弾くということになります。

この様に自然に、感覚で覚えてしまうと、下手をすると暗譜ということに恐怖を覚えてしまいます。楽譜を覚える時は必ず頭を使うようにしましょう。では、頭を使ってというのはどういうことなのか、説明させていただきます。

頭を使って楽譜を覚える方法

練習の時に雰囲気で音の流れをを覚えるのではなく、頭の中に五線紙を用意し音の一音一音を自分で書いていくのです。どうしても覚えられない人は、直接紙に書いてという人もいます。しかし、これはかなり時間がかかるので、頭を利用して下さい。そして、楽譜を頭の中に、いつでも視覚的に思い浮かべることが出来るようにするのです。

このような方法で楽譜を覚えていくと、忘れることはあまりありません。音楽にのめり込むがあまり、感情的に演奏することは無くなります。常に客観視しながら演奏を出来るようになるので、緊張しても、どこか冷静な自分を保つことが出来ます。冷静であれば、自分がどこを演奏しているのかが常に分かるので、自信を持つことが出来るようになります。音楽迷子になることはありません。

覚え方は、一曲の最初から最後までを何度も練習するよりもワンフレーズずつ区切って、大体４小節前後を何度も練習するようにしましょう。一つのフレーズが出来るようになると次のフレーズを練習し、それも出来るようになると、最初のフレーズから次のフレーズまでを通して完璧にしてください。

この様に普段の練習において、小さな区切りを完璧にするような練習を重ねていくと、技術的にも暗譜的にも最初から最後までの通し練習で覚えるよりも短い時間で出来るようになります。

また、区切るということは、楽譜の意味を理解することにつながりますし、もし演奏途中に止まってしまってもどこからでも立ち上がる力を付けることが出来ます。

最後に

区切り練習では、必ず前述のように頭を使うことを忘れないようにしましょう。そして、その時の気分や感情だけで、音楽を奏でないようにしてください。必ず、自分の出している音や表現が楽譜に忠実に奏でられているか、頭にある楽譜と照らし合わせながら演奏しましょう。細かい練習の方が、時間的には効率的ですし、何度もやっているうちに覚えてしまします。

この様に普段の練習できちんとすることが出来るようになると、わざわざ覚えるための練習は要らなくなります。最速時間で暗譜というのは、普段の練習の仕方にあると思います。楽譜を覚えることが苦手な方は、普段の練習方法を一度見直してはいかがでしょうか。