音楽CDの売上のうち、いくらがアーティストに?

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一枚の音楽CDが作られ、リスナーの手元に届くまでには、多くの人間が関わります。

実際に曲を演奏するミュージシャンの他に、詞を書く人間、曲を作る人間、それを編集する編曲家。演奏の録音をサポートするスタッフに、録音した音源の調整を行うエンジニア。

これだけではありません。一般のショップに並んでいる音楽CDにおいては、更に、数え切れないほどの人数が関わることとなります。

楽曲の流通や販売を総合的にサポートする、レコード会社の方々。楽曲の制作サポートや、プロモーション、管理などを行う、音楽出版社の方々。録音した音源をディスク化する、プレス会社の方々。実際に物の販売を行う、ショップの方。

そして、世に出た作品に関して、権利や利益を守ってくれる、JASRACの方々です。

一枚のCDを、リスナーの目の前へ届けるためには、何十人、何百人の力がかかります。その売上も、何十人、何百人で分けることとなる、というのはご理解いただけるでしょう。

売上の分け方は、細かく言えば、レコード会社や、アーティストとレコード会社の契約内容によって異なります。よっぽど有利な契約を結んでいない限り、一般的にアーティストの収入となるのは、売上の1?3%です。

一般的なショップに並ぶ品の、典型的な売上分配の例をご紹介しましょう。

まず、レコード会社が50%。次に、CDショップが26%。加えて、CDプレス会社が17%。音楽出版社が3%。JASRACが1%。残りが、実際に曲や詞を作り、演奏した方々の取り分となります。これが、印税と呼ばれるものです。

「税」という漢字には、「収穫に対して一定のものを納める」という意味があります。作品が売れたり、利用されたりするたびに、その作品を生み出した人間に還元されるお金は、「印税」という名前でカテゴリ分けされています。音楽だけでなく、小説などの出版物に対しても使われる言葉です。

この印税は、音楽CDの売上に対して、作詞者に1%、作曲者に1%、演奏者に1%です。

ここで気をつけたいのが、例えばメンバーが5人で演奏するアーティストの場合、演奏者としての取り分は「5人で1%」だという点です。この場合は、一人当たりの演奏者としての取り分は、0.2%となりますね。

シングルであれば、一枚の価格は1,000円前後。アルバムなら、一枚の価格が2,500円?3,000円前後です。この場合に当てはめれば、一枚の売り上げのうち、アーティスト一人の取り分は、シングルならば2円、アルバムでも5円前後となります。シングルが1万枚売れても、2万円にしかなりません。1ヶ月暮らせません。

ただし、アーティストの収入は、演奏者としてのもの〝だけ〟とは限りません。曲を作れば作曲家として、作詞をすれば作詞家としての取り分が手に入ります。

それぞれの取り分は、演奏者としての取り分にプラスされることとなります。しかしこれがメンバー間の不和に繋がることもあります。

例えば、演奏者5人の中の1人が、作詞作曲を手がけていたとしましょう。その場合、売上の内、他の4人の取り分は0.2%であるのに対し、作詞作曲を手がけた1人の取り分は、2.2%となります。

シングルが1万枚売れたら、4人はそれぞれ2万円の収入、作詞作曲をした1人だけが、22万円の収入です。

この場合、4人は、毎日カップラーメンを食べてホームレス生活をしてもギリギリ暮らしていけませんが、1人は、普通にアパートを借りて毎日普通の食事ができる、という程度の格差が生まれてしまいます。ケンカにもなります。

しかし、この収入は高いのでしょうか?安いのでしょうか?

22万円は、1ヶ月、フルタイムでアルバイトをすれば稼げる金額です。正社員なら、入社一年目でも、給与として毎月受け取れる金額です。決して、高い報酬とは言えませんね。

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