歌を上手くなるには、「カラオケを上手く歌うには」とインターネットで検索すると、「ボイストレーニングに通いませんか?」というような広告を目にする機会が多くありませんか?更にそれらの広告をよく読んで行くと、ボイストレーニングと書いてあったり、ボーカルトレーニングと書いてあったりさまざまな広告を目にします。
これらのレッスンは学校によって科目名が違うだけなのかと同じものとして見ていたのであればその見解は大間違いです。実はこれら二つのレッスンの目的は根本的に違うのです。
ボイスは英語で「声」という意味です。ボーカルは「発声の」という意味があります。これらの和訳だけでもやはり同じではないかと思う人もいるでしょうが、これらの言葉からだけでもそれぞれのトレーニングが厳密には異なるレッスンであることがわかります。
ボイストレーニングとは?
まずボイストレーニングですが、これは「声についてのトレーニング」です。
声を出すためにはどこの筋肉をどのように使ったらいいかを学びます。息の吸い方、音程の取り方や高い音の出し方、地声から裏声にスムーズに移動するにはどうしたら良いかという悩みへの解決のヒントや、練習の仕方、声の出し方のコツなどです。
声は声帯が息によって震えることにより音として体外に出ます。この時、筋肉の使い方が間違っていたり、声帯に無理なプレッシャーをかけてしまうと、負担がかかり、結節やポリープなどができる原因にもなりかねません。ボイストレーニングではその様なことが起きない様に発声の根本からトレーニングを行います。
歌手だけでなく、アナウンサーなど声を使う仕事をしている人もこのボイストレーニングに通って喉のメンテナンスを行っています。
ボーカルトレーニングとは?
一方、ボーカルトレーニングは一言で言えば歌い方のレッスンです。
日本語訳では「発声のトレーニング」となりますが、発声の「方向性」などと言葉を補えば良いでしょうか。音楽の楽しい表情を表現するにはどうしたいいか、悲しい歌詞を歌う場合にはどうしたらいいか、また、音楽の表現を壊さないようにブレスをするにはどうしたらいいかという様なことをレッスンします。
いわば、声の色付けのレッスンです。
よって、高い音が出ないけどどうしたらいいかという悩みを抱えた人がボーカルレッスンの門を叩いたとしても、根本的な解決にはならないかもしれません。ボーカルトレーニングはあくまでも基礎的な発声ができている人が対象になります。
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最後
ボイストレーニングの発展的レベルのトレーニングなのです。基礎の発声ができていないのに無理して色をつけようとすると、声帯に正しいプレッシャーがかからず、喉を壊してしまうことにもなる可能性があります。身体の使い方も色付けもいっぺんに行えるレッスンであれば良いのですが、一般的にはどうしても別々のトレーニングになってしまい、両方に手が回りません。
プロ、アマチュア問わず自分の喉を大切にするためにも自分にはどちらのトレーニングが必要なのか選択する必要があります。
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