音量にも配慮を!よいBGMの音量はお客様目線で考える

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お店にどんなBGMを流すかというのはとても重要なことです。お店の雰囲気にマッチした音楽が流れていると、お店の雰囲気を自然にお客様に伝えることができ、居心地のよさを感じてもらえます。そのことがひいては購買行動につながったり、リピーターを増やすことにもつながることでしょう。逆に、お店の雰囲気とBGMが合っていない感じがしたりすると、ちぐはぐで落ち着きのない印象になってしまい、購買意欲や、繰り返しこの店に来ようとする意欲をうまくかきたてることができないかもしれません。

BGMの音量

そのように「どんな音楽をBGMに選ぶか」もとても大切ですが、配慮しなければならない重要なポイントはもう一つあります。それはBGMの音量です。せっかくよい音楽を選んでも、ほどよい音量でそれが流れていなければ、いい雰囲気も台無しになってしまいかねません。

特に、お客様がある程度のまとまった時間を過ごし、そこで誰かと歓談したりすることも多い飲食店ではBGMがどのくらいの大きさかというのは非常に重要になってきます。そして、それを決める際、あくまでもお客様目線で考えるのが大切です。

お客様は、心地よい空間で、心地よくおしゃべりができたらと思っている場合が多いはずです。そういう場合、BGMが大きすぎて、相手の声が聞こえづらいといった状況はもちろん避けなければなりません。かといって小さすぎると何が流れているのかよくわからないのでBGMの効果そのものがなくなってしまうことになります。そして、他のお客様に会話の内容が筒抜けといった感じになってしまいますのでリラックスしたおしゃべりがしづらく、居心地が悪い感じになってしまいます。ではどのくらいの大きさがちょうどいいのでしょうか。

数値としてこのくらいの大きさがよい、というようなはっきりした目安はありません。同じように設定しても、お店の広さや、お店の内装がどのような材質で作られているかなどによって、音の聞こえ方はかなり異なるからです。

ここで大事になってくるのが「マスキング効果」

マスキング効果とは、比較的大きな音と比較的小さな音が鳴っている場合、比較的大きな音はよく聞こえるが、小さな音の方は聞こえづらくなる、つまり小さな音がマスクされるというものです。BGMの理想の大きさは、他のお客様の話し声や、お店の外の車の音などの騒音などをほどよくマスクして、お客様どうしの会話が聞こえやすくなる程度、ということができます。

これがどのくらいの音量になるかは、実際にお店の中で、席に座って、話をしてみて確認するよりほかありません。お客様になったつもりで、どのくらいの音楽の大きさが心地よく感じ、話もしやすいと感じるかをじっくり感じとり、音量を丁寧に調整してみましょう。

もちろん、席の場所によって音源からの距離なども異なりますので、BGMの聞こえ方も異なります。バランスよくスピーカーを配置できればそれに越したことはありません。しかし、それが難しい場合は、店の内装をうまく利用するという方法もあります。ガラスやタイル、コンクリートなどの材質は音を反射しやすく、木材や布などは音を吸収しやすい性質があります。たとえば、BGMが届きにくいと感じる場所にはガラスやタイルを取り入れる、BGMが響きすぎると感じる場所には木や布を取り入れるといった工夫も有効です。

また、お客様がたくさん入ると、会話の声も増えますし、お客様の衣服などが音を吸収しますので、BGMの音の聞こえ方も異なってきます。お客様がたくさん入ったときにどう聞こえ方が変化するかもきちんとチェックして、音量の調整に反映することも大事です。可能であれば、スタッフや知り合いなどに協力を頼んでお客様がたくさん入った状態をあらかじめシミュレーションしてみるのがおすすめです。それが難しい場合は、お客様がたくさん入ったときに実際に店の中でBGMの聞こえ方をチェックし直しましょう。

そして、よい音量は、店のタイプによっても若干異なります。たとえば、活気にあふれたざっくばらんな雰囲気の店にしたい場合は、人の気持ちを活性化させるような元気のある、テンポも速めの音楽を選ぶだけでなく、音の大きさもやや大きめにすることで、ほどよくにぎやかな雰囲気を演出することができます。また、ひっそりと落ち着いた雰囲気の店にしたい場合は、音楽もリラックスできるようなソフトな、スローな曲を選ぶだけでなく、音の大きさも小さめにすることで、しっとりとした雰囲気を作り出すことができます。

最後に

お客様が「居心地よく感じる」ことこそ売り上げに直結する大きなポイントです。居心地よく感じていれば、お客様がオーダーする意欲が促進されますし、繰り返しそのお店に来ようと思う可能性が高まるからです。そしてBGMの大きさがどのくらいかということは、お客様がそのお店を心地よく感じるかどうかにとても重要な影響を与えます。おろそかにせずにしっかり調整しましょう。

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