カラオケが一般化して、曲に合わせて歌を歌う機会が増えています。しかし歌を歌うことが苦手な場合は人前で歌うカラオケを楽しむことができません。またカラオケの普及で歌の上手な人も多くなってきているので、歌に自信がないとなおさら参加することさえつらくなるという人もいることでしょう。
歌が上手くなりたいということならボイトレに通うという方法があります。以前はトレーニングをしてもらえる教室がどこにでもあるということではなかったので気持ちはあっても実際に通うことは不可能とあきらめてしまうということもありましたが、現在では各自治体のサークルなどでも歌の教室を開いていたり、誰でも参加できるようなコーラスグループが会ったりするので、歌が苦手でも上達できるように教えてもらえる機会はたくさんあります。
それでももともとあまり歌を歌うことが好きではなかった人が、歌の練習を続けるのは容易ではありません。声の出し方や呼吸の仕方など基礎的な訓練の時点で、続けることが困難になってくるという可能性があります。そのような人でもどうすれば歌唱力をupすることができるのでしょうか。
歌が上手くなりたい理由を明確する3つの方法
それは歌が上手くなりたい理由を明確にすることです。それを明確にするためには3つの方法があります。
好きな曲や音楽で理由を捻り出す
まずは好きな曲や音楽についてなぜ好きなのかという理由を書き出してみます。例えば「聞いていると気持ちが落ち着くから」「移動中に聞いているから」「気分転換になるから」「勇気をもらえるから」「季節が来ると思い出すから」など様々な理由があるでしょう。それらをまとめてみると「感情が揺さぶられる」ということになります。
アーティストから理由を捻り出す
次に3組以上の好きなアーティストとなぜ好きなのかという理由を書き出してみます。例えば「昔、よく母親が聞いていたから歌声が懐かしい」「そのアーティストが有名になるまで苦労をしていたのを知っていて曲が心に染みるから」「メンバーに魅力があり惹きつけられるから」「声が良いから」など様々な理由が出てくるでしょう。そしてそれらをひとつにまとめると「人の心を揺さぶることができる人だから」ということになります。
歌がうまくなったらやりたいことを書き出す
そして3つ目は歌がうまくなったらやりたいことを書き出すことです。たとえば「カラオケに行きたい」「人前で歌ってみたい」「ライブをしてみたい」など個々によってやりたいことが出てきます。そしてこれらをひとつにまとめると「人前で歌いたい」ということになります。
「感情が揺さぶられる音楽が好き」で「人の心を揺さぶることができるアーティストが好き」で「上手くなったら人前で歌いたい」という3つの目的を見出すことができました。個々によってその目的は様々ですが、例えばこのような動機を見出し、念頭に置いておくことでボイトレや発声練習にも力が入るようになり継続することができるのです。継続すればどんどん上達していきます。人前で歌っている姿を想像してみても以前は「絶対に嫌だ」と思っていたことでも「早く友達たちとカラオケに行きたい」「みんなに聞いてもらいたい」という気持ちに傾いていくことができるのです。
一番必要なのは歌のテクニックではないよ
ただ歌唱力をupしたい場合に、アーティストのモノマネばかりしていても限界が来ます。声に歯それぞれ個性があります。高い声が出にくいのに無理をして高い声を出すと声帯に異常をきたすこともあります。それにアーティストのモノマネをしているつもりでも聞いている側からしてみれば、本当のアーティストのようには心に響かずあまりきれいに聞こえないということもあります。
さらにそのアーティスト以外の人の曲はうまく歌えなくなるということもあります。だから下手でもよいのでとにかく自分の声で歌えるように練習を繰り返すことでその人の個性が出、本当に心に染み入る曲が歌えるようにもなるのです。「自分の歌声で歌う」ということは歌が上手いとか下手というよりも大切なことです。
ある国文学者は、「うたう」の語源は「訴える」ということだといいます。歌詞の内容を聞いている人に訴えるということが「歌う」ということになります。また別の国文学者も、言霊によって人の心を「打つ」ことから「うた」という言葉になったといいます。このように歌を歌うということは音程がしっかりしている、高い音がきれいに出せる、アーティストのものマネが得意などということよりも歌詞を良く理解して、自分なりの表現の仕方でそれを人に訴えかけ、人の心を揺さぶることができるということが本当の歌唱力ということになります。
もちろんそのためには聞いてられないような音程の悪さや声で歌ってしまうと、歌詞や曲調をゆっくりと聞いてられないことになるので、できるだけ正しい音程やリズム、正しい声の出し方を習得する必要はありますが、一番必要なのは歌のテクニックではなく「自分の表現によって感情を込め、歌詞を相手に訴えかけるように謳うことができること」なのです。自分らしく歌えばテクニックは後からついてくるのです。
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